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2016年12月5日月曜日

何かが起こる予感1



個展が終わるまでお預けだった
佐賀県鳥栖市の「多く美や」さんへ。

オーナーの渡邉さんは、
ウルシノキを植栽されています。

先日、鳥取で開催された
西日本の漆を守る会でお会いした方です。

こんなに近くに住んでいたのに、
今まで顔を合わせる機会がなかったのは不思議です。
今、時が満ちたということでしょうか。

今日は、漆林を見せていただきました。

これが鳥栖の風景だなんて!
岩手じゃないんですよ!!
静かに感動がわきます。


16年前に植えたのだそうですが、
地元には指導者がいないので、
試行錯誤の末、生き残った木を
養生掻きされています。


草刈りでついた傷から溢れる漆液。
元気ですね!

浄法寺漆で有名な岩手県は北緯39度です。

ウルシノキ原産地の中国では、
現在の漆産地の貴州省、湖南省、
湖北省、四川省、陝西省は
26~34度に位置しています。

こちら佐賀県や福岡県は北緯33度。

あくまでも現在の漆産地との比較ですが、
漆のイメージが強い東北や北陸よりも
北部九州のほうが緯度は近いようです。


先日の漆を守る会で、
主宰者の小野さんから興味深いお話を伺いました。

植物は、原住地から南下するのは困難ですが、
北上する場合は適応しやすいのだそうです。

この鳥栖の植林も、
小野さんがお手伝い下さったそうです。


ウルシノキは落葉樹。
今年の葉は落ち、実がたくさん生っています。



藤沢周平の小説『漆の実のみのる国』では、
米沢藩主の上杉鷹山が
ウルシノキを植林して財政を再建する
様子が描かれていました。
上杉鷹山は秋月藩出身です。
なんと、福岡の人だったのですね!!
ぜひ福岡も「漆の実のみのる国」に
してみたいです。

とは言え、うちはマンションですので、
植木鉢で栽培を始めてみました。

~ 2につづく ~